連載コラム なるほどね!エキナカ - 知れば知るほど、いつもの駅がもっと身近に!毎月のテーマに沿って、思わず「へぇ〜」って言いたくなるエキ中の“なるほど”をご紹介していきます。

みなさん、こんにちは! エキナカ特派員のカズヤです。
1月のテーマ『ロケ地になった駅』も、いよいよ最終回。ラストにふさわしく、今回は特別ドラマの撮影現場に潜入してきました。

1月のテーマ 『ロケ地になった駅』

第4回「あのドラマの撮影現場に大潜入!」

2008年1月30日


まさしく、「鉄道なくして、ドラマは作れないなぁ〜」と、しみじみ実感した一日でした。
そう、今回のドラマもそうですが、テレビや映画などには、鉄道や駅がたくさん登場していますね。JR東日本では、車両や駅構内などの施設をこうした撮影場所に提供する「ロケーションサービス事業」を2005年4月から展開しているんです。

私たち取材班が潜入したのは、日本テレビ開局55周年記念番組『東京大空襲』(3月17、18日の午後9時から、二夜連続放送予定です)の撮影現場。
第二次大戦中の1945(昭和20)年に起こった東京大空襲の壮絶な模様と、若者たちの恋と生き様を、堀北真希さん、藤原竜也さん、瑛太さん、柴本幸さんなどの俳優さんたちが熱演するドラマです。

さて、この現場では、どんな撮影が行われるんでしょうか?

歴史を感じる、オハニ36 歴史を感じる、オハニ36

現場に到着してみると、いかにもレトロな茶色の客車が線路に置かれています。
かなり冷え込む早朝だというのに、まわりにはたくさんの撮影スタッフ、エキストラさんたちが、せわしなく行き来しています。

ちなみにここは、群馬県高崎市にある、高崎運輸区構内に設けられた撮影現場。引込み線が何本かあって、いつもは車両の点検や整備が行われている場所です。

「今日は、列車をつかってどんな撮影をするのかな?」と思っていると、寒空の下、真剣に現場を見守る、中山さんにお話を伺うことができました。中山さんは、ジェイアール東日本企画高崎支店の部長さんで、高崎地区のロケーションサービスの窓口もされている方です。

この日、撮影されるシーンは、アメリカ軍の戦闘機が走っている蒸気機関車に機関銃を撃って、乗客が被害を受けてしまう場面だそう。

乗客に扮するエキストラのみなさんが、次々と車内に移動して準備をされています。衣装も戦時中を再現したもので、女性はモンペ、男性はダークグリーンのゲートル(兵士の足にぐるぐる巻く包帯みたいなもの)を履き、まさしく当時を思わせる臨場感。

昭和の臨場感たっぷりの、撮影現場 昭和の臨場感たっぷりの、撮影現場

でも、なにより当時をリアルに感じさせてくれたのは、電車です!

この車両は、「オハニ36」というもので、1955(昭和30)年に運用がはじまり、1986(昭和61 )年ごろまで使われていた車両だそうです。深い茶色の色合いがなんともレトロで、車内はすべて木製のボックス席。そして濃い青色のシートがシックで、歴史を感じさせてくれます。

これだけの存在感を感じさせてくれるのも、この車両が「実物」だからです!
しかも、これだけ古いものでありながら、今もしっかり稼動できるとのことなので、驚きです!

「この状態で、走っている列車を戦闘機が襲うシーンってどう撮るのかな?」
と思っていたら、取材をしている間にも、すでに車内では撮影が始まっているらしい。
でも、電車を動かす様子はありません(?)

実は、「走行シーンは別の場所で撮影して、あとで合成している」とのこと。ドラマの編集スタッフさんの技術力、表現力はスゴいですね! こういった例はよくあって、たとえば“東京駅”のホームという設定で、実際は高崎駅のホームで撮影し、あとで合成する、というようなケースもあるそうです。

今回は、すでに蒸気機関車の走行シーンは撮影が完了しているとのことでした。
現代の街並みが映りこまないように、石炭で動く蒸気機関車を走らせるなんて大変だな〜と思っていると…

やっぱり大変だそうです!

なぜなら列車を走らせる線路は、セットではなくて本物の線路を使うからです。。何十年も昔の風景に見えるような線区を選ぶだけでも大変なのに、通常のダイヤのなかで撮影を行うわけですから、その調整はとっても大変です。

たとえば今回のようなシーンなら、3ヶ月も前から走る区間や時間などの調整を始めるそうです。
それだけではありません。

もし、俳優さんが列車内のシートに座っているシーンを撮る場合、撮影で映りこむボックス席全部の座席を貸しきったり、窓から手を出してホームの人物と手を握り合うシーンなら、電車のスピードを極力抑えたりもするそうです。

上野駅のような巨大駅のコンコースなどを俳優さんが通り抜けるシーンなら、撮る瞬間のたった数十秒間だけお客さまに立ち入りをご遠慮いただいたり、旅番組なら案内をするタレントさんに始発駅から乗ってもらい、ダイヤを乱さないようにしたり…。控え室などの設備なども撮影現場の近くに無くてはならないものですが、いつでも準備できるわけではありません。今回も、なんとJR東日本高崎運輸区の会議室を、俳優さんたちの控え室として臨時に使用していました!ロケーションサービスの方々の工夫を感じます…。

本当に、駅での撮影にはたくさんの苦労がつきもの。それもすべて、「安全」と「お客さまに迷惑をかけない」という二つのことを最優先にしているからなんですね。こうした舞台裏で活躍するスタッフさんたちの協力があってこそ、私たちが感動できるドラマが生まれるんだなぁ、と実感できた取材でした。

エキストラの皆さん エキストラの皆さん

さあ、こうして撮影されたドラマはどのような仕上がりになっているのでしょうか? 皆さんも実際に放映される『東京大空襲』を見て、ぜひ自分の目で確かめてくださいね!

さて、4回にわたってご紹介した「ロケ地になった駅」は今回で最終回。いかがでしたか?
またひとつ、鉄道の魅力に気づいていただけたかな、と思います!

さて、次回からは新幹線などに乗っていると、ついついお弁当などを買ってしまう「車内販売」のコト。またまた徹底取材に出かけます。お楽しみに!

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1月のテーマ

ロケ地になった駅

第1回
「古き良き名作映画と鉄道シーン」
1月8日更新
第2回
「スクリーンで見たあの名場面と鉄道」
1月15日更新
第3回
「ドラマでも、やっぱり鉄道はハズせない!」
1月22日更新
第4回
「あのドラマの撮影現場に大潜入!」
1月30日更新
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